フィンランドのクリスマスの定番、Laatikko=箱料理。そのうちの一つ、甘くておいしいじゃがいもキャセロールです。手間はかかりますが、お味は絶品。舟和のいも羊羹を思い出させる美味しさです。
クリスマスの箱料理
フィンランドの伝統的なクリスマス料理といえば、この「箱料理」。Laatikko=箱に入れて、オーブンでじっくりと焼いたキャセロールです。
そして、このラーティッコ、にんじん、じゃがいも、ルタバガなどいろいろな種類があります。どれもほのかに甘く、スパイスの風味がよく合います。料理なのに甘いの?と思うかもしれませんが、わたしの中のイメージは、お正月の豆きんとんです。
じゃがいもの糖化
このじゃがいもキャセロール、甘いです。ほかのキャセロールよりかなり甘い。理由は、じっくりオーブンに入れて、じゃがいものでんぷんを糖化しているからです。
でんぷんは、多糖類と呼ばれます。糖がたくさんくっついてできているからです。お米を噛むと甘く感じるのは、私たちの唾液に含まれるアミラーゼという酵素がお米のでんぷんを切断し、糖ができるからです。
もちろん、キャセロールを作るのに唾液は使いません。実は小麦粉にも、アミラーゼが含まれています。小麦粉を混ぜて、アミラーゼが働きやすい温度で保ってあげることで、じゃがいものでんぷんが切断され、糖ができ、甘くなります。
この糖化を使えば、海外の全く甘くないサツマイモも甘くできます。さつまいもは、いもの中にアミラーゼをたくさん含んでいます。ですから、丸ごと加熱するだけでいいんです。
じゃがいもは、サツマイモに比べてアミラーゼが少ないので、そのままオーブンで加熱するだけではそんなに甘くはなりません。ですが、驚くほど濃厚なベイクドポテトができます。
舟和のいも羊羹?
じゃがいもキャセロールは、じゃがいもを糖化しています。ですから、ほかのキャセロールに比べるとダントツで甘いです。そして、味はなんと舟和のいも羊羹。じゃがいもなのに、舟和のいも羊羹。とっても驚きましたが、何口食べても舟和のいも羊羹でした。
海外での再現レシピというには、あまりにも手間暇かかりすぎますが、時間があるときにぜひ、試してみてください。
人気のフィンランドのクリスマス料理のレシピはこちらです。
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レシピ
じゃがいもキャセロール Perunalaatikkoフィンランドのクリスマス料理
- じゃがいも 500 g
- 小麦粉 20 g
- 生クリーム 50 g
- 黒蜜 15 g
- 塩 1/2 小さじ
- バター 5 g
- バター
- 電子はかり
- 計量スプーン
- 包丁
- まな板
- 鍋
- アルミホイル
- 温度計
- ざる
- ミキサー,ブレンダー
- オーブン皿(1L)
- じゃがいもは皮をむき、一口大に切る。
- 鍋にじゃがいもと水を入れ、中火で加熱する。
- 竹串がスッと通るかたさまでゆでる。
- この間に、オーブンを60度に予熱する。
- じゃがいもを鍋から取り出す。ゆで汁は後で使うので、捨てずにとっておく。
- じゃがいもを、ハンドブレンダーまたはマッシャーでペーストにする。ゆで汁を少しずつ加えて、お粥よりやや硬い程度までのばず。
- 小麦粉の半量を入れてよく混ぜる。
- アルミホイルでなべを覆い、じゃがいもに温度計を刺す。
- オーブンに入れて30-40分加熱する。じゃがいもの温度が60-70度を保つように注意する。
- オーブンから取り出し、残りの小麦粉を混ぜる。
- 再びアルミホイルでなべを覆い、じゃがいもに温度計を刺す。
- オーブンに入れて3-5時間加熱する。じゃがいもの温度が60-70度を保つように注意する。この工程でじゃがいもが甘くなる。
- オーブンから取り出し、牛乳、生クリーム、調味料を入れよく混ぜる。
- バターを塗った耐熱容器に入れる。表面を滑らかにし、その上にバター5gを置く。
- 175度のオーブンで2時間焼く。
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