調整豆乳で豆腐を作る-3 いろいろな豆乳を固める実験

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フィンランドや、海外の豆乳と日本の豆乳の違い、豆乳から豆腐ができる仕組みについては、以前の記事で確認しました。

さてこの記事では、いろいろな種類の豆乳を固める実験を紹介します。

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にがりを作る

豆乳を固めるのに使うのはにがりです。日本では液体のものも売られていますが、私は固体の塩化マグネシウムを日本から取り寄せました。

にがりの材料

全国豆腐連合会のホームページによると、凝固剤として使われるのは以下の5種類です。

  • 硫酸カルシウム
  • 塩化マグネシウム
  • グルコノデルタラクトン
  • 塩化カルシウム
  • 硫酸マグネシウム

このなかで、グルコノデルタラクトンと他の4つの物質(塩・えん)は、凝固剤として働く仕組みが違うと思われます。当然、レシピも異なるでしょう。豆腐作りに初めて挑戦するときは、グルコノデルタラクトン以外の凝固剤で始めるのが無難だと思います。

日本での豆腐作りにはあまり使われないようですが、エプソムソルトとして売られている硫酸マグネシウムなども手に入りやすいでしょう。
Pure Original Ingredients Epsom Salt (1 lb) Pure Magnesium Sulfate, Food Grade, Soaking Solution
Pure Original Ingredients Epsom Salt (1 lb) Pure Magnesium Sulfate, Food Grade, Soaking Solution

にがりの作り方

さて、塩化カルシウムなどの塩(えん)を水に溶かして、にがりをつくります。にがりの作り方は「水大さじ2に塩化カルシウム小さじ1」です。

塩化カルシウム以外の塩を使う場合も、同量で大丈夫です。

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豆乳を固める

さて、いよいよ豆乳を固める実験です。

無調整豆乳を使用した豆腐作りはまず「沸騰直前まで加熱した豆乳250mLににがり小さじ1を加え、よく混ぜ、30分放置」します。放置した後に固体ができ、上澄みが澄んでいれば、固まった、と判断し、水を切って固める工程に移ります。

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その1-Pirkkaの豆乳

まずは、こちらでも説明した、水と大豆のみ使用のPirkkaの豆乳です。

この豆乳は、安定剤などが含まれないことから、にがりでもすんなり固まるのではないかと予想しました。

にがり小さじ1

豆乳を加熱してにがりを小さじ1入れたところ、もやもやと白い塊ができました。これは豆腐が作れるかも?と期待しながら30分放置します。

30分後、小ぶりなかたまりができていましたが、豆乳全体がまだ白っぽく、固まりきっていないと判断しました。

にがり小さじ2

豆乳を再び加熱して、にがりを加えました。トータルで小さじ2のにがりを加えたことになります。蓋をして30分放置します。

30分後、鍋を傾けるとかなりドロッとした状態になっています。上澄みも透明です。固まった!

脱水&試食

穴の開いた容器に布を敷き、そこへ流し込んで脱水します。

30分後、様子を確認すると、見た目は豆腐です。心配なのは、にがりを倍量入れていること。もしかしたら、味に苦味が残っているかもしれません。

一口食べてみると、苦味は全くなし。かなりクリーミーな口当たりで、濃厚な味の豆腐でした。そう、これは豆腐です!

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その2-Lidlの豆乳

次はLidlの豆乳です。水と大豆に加え、安定剤と食塩が含まれています。

こちらは安定剤が含まれるので、にがりを多量に入れなと固まらないと予想しました。

にがり小さじ1

豆乳を加熱してにがりを小さじ1入れ、30分放置しましたが、何の変化もありませんでした。

にがり小さじ2

豆乳を再び加熱してにがりをトータル小さじ2入れ、30分放置します。

表面に湯葉のような膜が張っているのが分かります。この豆乳は大豆9.7%使用ということで、もしかしたら湯葉づくりに使えるかもしれません。ですが、今は豆腐の実験。小さじ2ではまだ固まっていません。

にがり小さじ3

豆乳を再び加熱してにがりをトータル小さじ3入れました。この時点でもやもやと白い塊ができています。これを30分放置します。

Pirkkaのものに比べて、かなり細かい粒になっているのが分かります。上澄みが澄んでいるので、ここで固まったと判断します。

脱水&試食

穴の開いた容器に布を敷き、そこへ流し込んで脱水します。流すとすぐに水分が出ていき、残っているのはぼそぼそとした粒です。
にがりを三倍使っているので、こちらも味が心配です。一口食べてみましたが、味は豆腐。こちらもかなり濃厚です。ただ、滑らかさはなく、だまっぽい食感です。

水がすぐに抜けることから、違う方法で成形しました。にがりを入れて固めた後、目の細かいざるを使って脱水します。残った固形物をマグカップなどに入れて冷やします。これだけで、少し粗めの木綿豆腐のようになりました。

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その3-alproの豆乳

最後はalproの豆乳です。水と大豆、安定剤だけでなく、pH調整剤が含まれます。

こちらはpH調整剤が入っています。豆乳を固めるにはpHを下げる必要があるので、固めるのは難しいのでは、と予想しました。

にがりをたくさん加えた

にがり小さじ4を加えたところで、細かい粒ができはじめました。ですがその後にがりを加えても沈殿する様子がなかったので、塩化カルシウムを小さじ1/2程度加えました。いくら加えても沈殿しません。

よく観察すると、とても細かい粒がたくさんできていて、それが分散している状態でした。上澄みだけ見てみると、澄んでいたのでどこかのポイントで固まっていたのでしょう。

試しに脱水を試みましたが、あまりに粒が小さく、数時間経っても粒同士がつながる様子もなかったので、alproの豆乳は豆腐作りに向かないと判断しました。

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豆乳を固めるには

実験結果だけでかなりの分量になりました。次の記事では、実験から分かったことと、豆乳を選ぶコツ、調整豆乳で豆腐を作るレシピを紹介します。