あきらめたことでうつの先の人生が見えた

My Daily Life

教員時代に私がうつになった直接の原因は、上司からのパワハラでした。重度のうつで食べられない、寝られない、何も考えられない状態から回復し始めると、それまでとは違った辛さに襲われました。

あの時ああしていれば

上司からきつく当たられていたのは周りから見ても明らかで、いろいろな同僚がフォローしてくれたり、間接的に上司にやり返してくれたりしていました。だけど、私自身がやめてほしいと言えていたら、もっと強く出られていたら、色々考えだすときりがありませんでした。

投げ出したことの多さ

私は学年の途中で休職をしました。本当はすぐに復職するつもりだったけれど、回復すればするほどに、きっと戻れないだろうという現実と向き合わなければなりませんでした。投げ出してしまったクラスや学年のことを思うと、今でも悔しくて涙が出ます。生徒にもっといろいろなことを伝えたかったし、本当に申し訳ないことをしました。

どうしたら許せるか

つらい、悲しい、悔しいということばかり考えていてもらちが明きません。私は「どうしたら許せるだろうか」と考え始めました。そして、許せる条件は「すべてを元通りにする」ということでした。時を戻して、私が休職した段階から、すべてやり直せるなら、上司を許せると思ったのです。

そして同時に、これは無理な願いだと理解しました。仮に、私が元気になって復職したって、生徒は成長していて、授業の内容も進んでいて、元通りにしてやり直すことなんてできないのです。

この時点で、私は元の生活に戻ること、元の自分に戻ることをあきらめました。戻れないなら、それ以上に良い人生を送ればいいんです。

私は前向きに生きたい

パワハラをした上司は許せません。それは今も変わらないし、一生許すことはないでしょう。許す必要もないと思っています。だけど、恨みや悔しさなど、ネガティブな感情を原動力にしてその後の人生を生きるのは、私には向ていないと思いました。

うつになる前よりもよく生きると決めたことで、自分の思考のゆがみと向き合い、その原因とも決別し、認知のゆがみを矯正しました。そうすることで自己肯定感も回復し、優しいパートナーとも巡り合い、今のところは、うつも落ち着いています。