フィンランドのクリスマスは排水溝が詰まる?

Life in Finland

フィンランドでは、クリスマス近くになると「排水溝を詰まらせないように気をつけて!」というアナウンスを目にします。なぜクリスマスに排水溝?その原因は、フィンランドのクリスマスの風物詩、大きなヨウルキンック=クリスマスハムにありました。

肉売り場を埋め尽くすハム

クリスマス近くにスーパーの肉売り場に行くと、大きな肉の塊がゴロゴロと並べられています。これ、すべてヨウルキンックという、クリスマスに食べられるハムなんです。

小さいものでもゆうに2キロを超えるヨウルキンック。フィンランドではほとんどすべての家庭にオーブンがあります。この大きなハムの塊を買っていき、自宅で焼くのです。

ハムは脂たっぷり

ハムを焼くと、豚肉に含まれる脂がこれでもかというくらいに出てきます。オーブンから出したときは温かいので液体です。これを、そのまま流したらどうなるでしょう。当然、フィンランドは冬。どこかの時点でかなり温度が下がり、脂が固体になるのは容易に想像できます。これが、排水溝をつまらせないで!というアナウンスがされる所以です。

ハム専用の袋

当然、排水溝を詰まらせないために、色々な企業が取り組みをしています。たとえば、ハムグリル専用の袋が売られています。
https://www.tokmanni.fi/kinkkupussi-2-kpl-45×55-cm-5011352080072

ハムを天板に載せてそのまま焼くのではなく、セロファンでできた袋に入れて焼くことで、脂がすべて袋の中に溜まり、そのままゴミ箱に捨てられる、という商品です。

油をスーパーで回収

フィンランドの大手スーパーKマーケットでは、クリスマスハムの脂を店頭で回収するキャンペーンを行っています。脂を牛乳パックに詰めて店頭に持っていくと、それがディーゼルオイルに再生されるというキャンペーンです。
https://www.k-ruoka.fi/artikkelit/joulu/kinkkutemppu

ちなみに、このKマーケットのサイトによると

  • クリスマスには、フィンランド全土で700万キロのハムが食べられる
  • 2020年は24万世帯から55トンの脂を回収

などと、なかなか衝撃的な数字が並んでいます。フィンランドのクリスマスの風物詩だからこそ、企業が大々的に対策に乗り出すのもうなずけます。

タイトルとURLをコピーしました