ちょっと高級なスーパーで買ったLusikkaleipäがものすごく美味しかったので、絶対に作りたい!とあれこれ試しました。
Lusikkaleipäは直訳すると「スプーンパン」ですが、フィンランド語ではクッキーをpikkuleipä=小さなパン、と呼ぶので、「スプーンクッキー」とした方がいいでしょう。スプーンで成形した、コロンとかわいらしい形が特徴のクッキーです。
シンプルだけどコツ満載
成形に少し手間はかかるけれど、シンプルな材料でできる美味しいクッキーです。そして、シンプルな材料なのにとても奥行きのある味わいです。
最初に作ったときは、バターを加熱する加減が分からず、スプーンも大きなものを使い、しっかりと焼いたために、ショートブレッドのようなクッキーになってしまいました。それはそれで美味しいのですが、Lusikkaleipäとはまた違います。
いくつかポイントを確認しておきます。
バターは気長に加熱
バターは、気長にしっかり加熱してください。赤っぽいとか、茶色っぽいとか、黄金色とか、いろいろな表現があります。内側か白い鍋を使えばわかりやすいのですが、だれでも持っているわけではありません。
バターを加熱すると、澄んだ液体の部分と、底に沈んだ乳白色の部分に分かれます。一番わかりやすいのは、底に沈んだ乳白色の部分です。ここの色が茶色っぽくなったら、加熱をやめます。一瞬で変化するので、それまでは気長に、焦がさないようによく混ぜながら、弱火で加熱してください。
ここでしっかり加熱しておくと、ナッツのような香ばしい香りがする、美味しいクッキーになります。
成形は根気よく
次に、成形です。
最初は、生地の詰め方や、クッキングシートへの落とし方に戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れます。
スプーンを使うのは、表面を滑らかにするためです。しっかりと押さえつけてください。また、生地はかなりオイリーなので、スプーンを傾ければすぐに滑り落ちていきます。60-70個と、クッキーの数が多いので、根気のいる作業ですが、並べ終わった後は爽快です。
焼き加減はお好みで
焼き加減は、お好みに合わせて選んでください。
焼き時間が10分だと、まだ生地のふちがほろほろと崩れる程度の柔らかさです。ここにマーマレードを挟んで、一日置いたものは、口に入れるとほろっと崩れて、手が止まらなくなる美味しさです。
15分だと、少し固め。柔らかめのショートブレッドといったイメージです。マーマレードを挟むときに扱いやすいのはこちらです。サクサク、ほろり、の食感が好きな場合はぜひ15分でどうぞ。
シンプルだけど特別
シンプルな材料ですが、バターの量、砂糖の量を考えると、毎日パクパクと食べるには、少しリッチすぎるかな、と思います。少し特別な日に、手間暇かけて作ったLusikkaleipäをいただくなんて、とても贅沢だなぁと思います。
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レシピ
フィンランドのスプーンクッキー ルシッカレイパLusikkaleipä たまごなし
- バター 200 g
- 上白糖 100 g
- 強力粉 250 g
- 重曹 1 小さじ
- ジャム、マーマレード (お好きなもの)
- グラニュー糖 (または上白糖)
- 電子はかり
- 計量スプーン
- 鍋
- シリコンヘラ
- ボウル
- クッキングシート
- この分量で30-40個できる。小さめの天板2枚分。
- フィンランドの小麦粉はすべて強力粉です。無料公開を終了しました | Piece of Oishi酒なし、みりんなし、現地の食材で作れるレシピ&料理の科学&海外の食材考察サイト
- 鍋にバターを入れ、中火にかける。
- バターが全て溶けたら、ふつふつと小さな泡が出続ける程度に火を弱める。
- 適宜混ぜながら、バターが赤っぽくなるまで10分程度加熱する。
- 溶けたバターに含まれる、不透明の白っぽい部分が茶色っぽくなるのが目安。焦がさないように弱火でじっくり加熱する。
- バターを火からおろし、砂糖を加えて混ぜる。
- 粗熱をとる。
- 強力粉と重曹をボウルに入れ、よく混ぜる。
- バターと砂糖に粉類を入れ、よく混ぜる。
- オーブンを175℃に予熱する。
- 天板にクッキングシートをしく。
- ティースプーンを使い、生地をクッキングシートに落とす。
- ティースプーンを二つ用意する。小さじ1程度の生地をスプーンですくい、もう一つのスプーンで押し付ける。
- クッキングシートに生地を落とす。スプーンを傾けると、生地がゆっくりと滑り落ちていく。スプーンに押し付けて、カーブした面が上になるようにする。
- すべての生地をスプーンで成形する。スプーンの大きさにもよるが、60-70個できる。ほとんど膨らまないので、隣の生地との間はあまり開けず、できるだけたくさん敷き詰める。
- オーブンで10-15分焼く。10分だとホロホロとした食感、15分だとサクサクになる。
- 冷めたクッキーにジャムやマーマレードを挟む。
- 全体に砂糖をまぶす。
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