なぜ調味料を使うの?
以前の記事でも述べたように、おいしさには様々な要素があります。

その中でも、調味料がかかわってくるのは主に味と香りです。この二点に注目して、調味料を分類してみましょう。
調味料の分類
繰り返しになりますが、調味料の目的はこの2つです。
・味を足す
・香りを足す

もちろん、嗅覚は味覚に大きな影響を与えるのですが、ここでは味と香りを分けて考えます。
すると、調味料は以下の3種類に分類できます。
・味だけを足す調味料
・味と香りを足す調味料
・香りを足す調味料
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
味だけを足す調味料
塩味:塩
甘味:白砂糖(グラニュー糖、上白糖)
酸味:クエン酸
苦味:なし
うま味:味の素
味だけを足す調味料は、言い換えれば、においのしない調味料です。
白砂糖は、加熱によりカラメル化反応やメイラード反応を起こします。なので、使い方によっては苦みや香りを与えることもありますが、基本的には味のみをつける調味料です。
うま味といえばだし汁を思い出す人も多いでしょう。ですが、だしの香りを簡単に思い出せるように、だしはうま味と香りの両方を与えるものす。純粋にうま味だけを足す調味料は味の素です。
味と香りを足す調味料
塩味:しょうゆ、みそ、ハーブ塩など
甘味:ブラウンシュガー、はちみつ、みりんなど
酸味:米酢、果実酢など
苦味:なし(オリーブオイル)
うま味:だし、だしのもと、しょうゆ、みそなど
お酢は酸味を足す調味料ですが、酸味の元の酢酸分子が揮発しやすいので、味と同時ににおいも感じます。
しょうゆやみそ、果実酢のように、複数の味を与えるものも存在します。
苦味を与える食材は、コーヒーやチョコレートなどいくつか存在するし、成分としては挙げられます。調味料では強いて言えばオリーブオイルです。ただ、オリーブオイルを苦みを足す調味料として使う場面を考えると、パンをディップする、など非常に限られた場面で、基本的に苦味を足す調味料としては使いません。
香りだけを足す調味料
こしょう、ハーブ類、にんにく、しそなど
香辛料や薬味、ハーブと呼ばれる調味料がこれに該当します。
もちろん、例えばしそを食べると香り以外に植物由来の味を感じますが、かなり弱く、料理の味付けに影響するのはほとんどが香りです。
油は味?辛みは?
厳密に味というと、塩味、甘味、酸味、苦味、うま味の5種類ですが、広義の味として、以下のことも考えておくと料理に役立ちます。
唐辛子、こしょうなど

油
確かに、塩味しかないポテトチップスやバターなどを美味しいと感じるのは、複数の味があると美味しく感じる、という理論から外れるので、少し不思議な気もしていました。

ですが、油が味として含まれるなら納得です。
なぜ分類が大切なの?
ここまで調味料の分類について考えてきました。そもそもなぜこれを知る必要があるのでしょうか。それは、料理の味付けの時に必要だからです。
おいしいと感じる基準は人それぞれで、万人がおいしいと感じる味は存在しません。つまり、どんなレシピでも、おいしいと感じる人とそうでない人がいるわけです。せっかくレシピ通りに料理したのにおいしくない、となった場合、調味料の分類を理解していれば、かなりリカバリーがしやすくなります。



美味しさについて、こちらの本を参考にしました。味に関して疑問に思ったときは、真っ先にこの本を調べる、わたしの愛読書です。
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