日本では薄力粉や強力粉という分類がメジャーですが、小麦粉の分類方法は国によって異なります。ここでは、日本とフィンランド、そしてフランスやドイツなどのヨーロッパ諸国と、アメリカでの小麦粉の分類方法とその基準を紹介します。
日本はタンパク質量
日本では、薄力粉や強力粉といった分け方がメジャーです。
強力粉や薄力粉というのは、小麦粉に含まれるたんぱく質の量によって決められます(*1)。
タンパク質量(%) | 分類 |
---|---|
11.5-12.5 | 強力粉 |
9-11.5 | 準強力粉 |
8-9 | 中力粉 |
6.5-8 | 薄力粉 |
タンパク質量にのみ注目して分けているように思えますが、粒の大きさにも違いがあります。一般的には、薄力粉の方が細かく、強力粉の方が粗く挽かれているようです(*2)。

ですが、もちろんこの図であらわされるような単純な話ではありません。例えばボトル入りの日清クッキングフラワーは、薄力粉ですが、通常の製品よりも粒が大きく作られているそうです(*3)。
日本では、製品の様々な情報がオープンになっているので、細部までこだわりたい場合はメーカーのHPなどで調べることをお勧めします。
フィンランドは粒径
フィンランドでは、粒の大きさによって小麦粉が分類されています。細かいものはパン向き、粗いものはケーキ向きと、目の粗さによっておすすめの用途が決まっています。




タンパク質量を確認すると、どの小麦粉もタンパク質量が多く、日本でいう強力粉に分類されることが分かります。


わかりやすくまとめるとこうなります。

どの程度の目の粗さなのか調べたかったのですが、フィンランドのメーカーはあまり商品情報を公開していないようで、具体的な数値などは出てきませんでした。日本の図とシンプルに比較できるわけではなく、あくまでイメージであることをご了承ください。
アメリカは用途
アメリカでは、用途により小麦粉が分類されているようです(*4)。ですが、例えば万能に聞こえるAll-Purpose Flourは、どの料理にも適しているわけではなさそうです。タンパク質量を確認すると、日本の中力粉や準強力粉、強力粉に該当するものなど様々あります。
やはり、用途に応じて、タンパク質量を確認するのが良さそうです。
ヨーロッパは灰分
ドイツやフランスなどでは、小麦粉の袋に405や550などの数字が書かれています。これは、灰分を表すようです(*6)。灰分値は、大きいほどタンパク質量が多く、少ないほどタンパク質量が少ない傾向があります。
つまり、この数字によって用途を決めるというのは、タンパク質量で用途を考えている、ということとほぼ同義です。タンパク質量がいかに大切なパラメーターか、わかっていただけたと思います。
国ごとに異なる小麦粉の分類
以上、国ごとに異なる小麦粉の分類を紹介しました。




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