コロナ禍&情勢不安の中、一時帰国 ドタバタ編

Life in Finland

2月半ば、コロナによる入国規制の緩和が発表されました。私は、3月半ばに予定されていた友人の結婚式に出るために一時帰国を決めました。しかし、その後、ロシアがウクライナを侵攻し、情勢不安で再び一時帰国が暗礁に。出国までのストレスフルな時間について記録します。

コロナによる入国規制の緩和

2月半ば、3月以降の入国規制の緩和が発表されました。隔離が三日以下になったら友人の結婚式に行く、と決めてい私。すぐにチケットを購入しました。結婚式に参加し、必要な買い物を済ませるだけの、二週間足らずの弾丸一時帰国です。

さらには翌日、在住国のフィンランドに対する規制が緩和されることになりました。これにより、ワクチンを三回接種している場合は隔離なしになりました。つまり、一時帰国中に自由に動けることがほぼ決まったのです。

私は普段、日本に帰りたいという気持ちがほとんどありません。それでも、二年半ぶりに帰国するとなると、やりたいこともたくさん出てくるものです。あそこに行こう、あれを買おう、いろいろ考えながら、とても楽しみに待っていました。

ロシアのウクライナ侵攻

そんな中、ロシアがウクライナを侵攻しました。この記事を書いている時点でも侵攻は続いています。現地の凄惨な状況を見聞きするたびに胸が痛くなり、自分の無力さを感じます。

ウクライナの状況を心配しつつも、人間とは愚かで正直なものです。私の頭は、無事に一時帰国できるのかという不安でいっぱいでした。

上空の飛行制限開始

開戦当初は短期決戦と予想されていましたが、ウクライナの必死の抵抗により、予想は裏切られました。始めると同時に、欧州各国が次々とロシアへの制裁を開始しました。上空の飛行制限もその一つです。

他の欧州各国に追随する形で、フィンランドはロシアに対して飛行制限を行いました。もちろん、それに対抗し、ロシアもフィンランドに飛行制限を課しました。それに伴い、私の予約していたフィンエアーのフライトは、共同運航のJAL名義にすべて変更されました。日本はロシアへの飛行制限を課していない、ロシア上空を飛行できるという判断です。

本当に安全なの?

危険を冒してまで一時帰国をする必要はない。わかってはいるけれど、楽しみにしていたものがなくなるのはつらい。この時点で、かなり精神的にかなり参っていました。毎日胃薬を飲み、スマホにかじりついては、更新ボタンを押して最新ニュースをチェックする日々でした。

情勢不安でフライトキャンセル

情勢的にも、また、ロシア上空を飛んでロシアにお金を支払うということの意味を考えても、一時帰国はやめたほうがよさそうだと考え始めたのが出発三日前。翌日には、コロナのPCR検査を控えていました。

そしてフライト二日前。JALから、フライト欠航の連絡が届きました。

正直、この時点ではかなりほっとしました。ロシアの上空を飛ばなくて済むということもそうです。そして、行かなかったのではなく、行けなかった、となったことで、あれこれうじうじと悩む必要もなくなりました。友人にも、フライトが欠航になったために結婚式には行けない旨を伝えました。

払い戻し?変更?迂回ルート?

コロナの影響で、フィンエアーの航空券は、オンラインで自由に変更できるように設定されていました。しかし、JAL名義への変更や欠航などの処理が追い付いていないようで、私のフライトは変更ができなくなっていました。

変更できない?払い戻し?

電話で問い合わせをすると通話料を取られるので、チャットで変更をお願いしました。チャットもかなり混みあっており、つながるまでに1時間近く待ちました。また、変更を完了したといっていたのにメールが来なかったり、変更するフライトがないから払い戻ししかできないといわれたり。刻一刻と変わる状況に、現場も大混乱の様子でした。

迂回ルートで運航?

この頃、ロシア上空を避けて飛行する迂回ルートの話が聞かれるようになりました。フィンエアーが以前運航していた、北極回りのルートを復活させる、他の航空会社も、大陸周りや大西洋周りの便を飛ばすというものです。

実際にJALから、迂回ルートへの変更を提案する電話がありました。ロンドンから日本まで迂回経路で直行便を飛ばすので、それに振り替えないかという話でした。ただし、フィンランドからだと乗り継ぎになり、24時間以上の長旅になります。もともと予約していたフィンエアーが迂回ルートで運航するという話も出ていたので、JALからの提案はお断りしました。

迂回便で帰国決定も、次なる不安

数日後、フィンエアーが正式に迂回便の運航を発表しました。私も、希望通りの日程でチケットを変更することができました。

これで一安心、と思いきや、さすがは非常事態。次なる懸案事項が浮上します。

飛行機内での濃厚接触

JALがロンドンから運航している直行便は、搭乗率がかなり高めである。そして、仮にコロナ陽性となった人が前後二列に座っていた場合、ワクチンを三回接種していても一週間の隔離が求められる。その間は、MySOSで毎日GPSによる場所の確認がある。

こればかりはもう、自分では防ぎようのないことです。無事に入国したとしても、いつ行動が制限されるかわからないというのはかなりストレスです。そもそも、母国に入国するのに制限をかけられていること、日本政府が水際対策をアピールに使っていること、いろいろな不満が一気に爆発しました。

チェックインできない

極めつけは、フィンエアーでオンラインチェックインを試みたものの、スタンバイ、空席待ちと表示されてしまいました。変更がうまくできていなかったのか、かなりの搭乗率なのか、不安で不安で、出発前日はろくに寝られませんでした。

この時点で、私の胃はボロボロ。胃潰瘍になり、お医者さんに処方してもらった胃薬を何度も飲んでいました。さらには食欲も落ち、数年ぶりに体重が減少しました。人生初の一時帰国、あまりにもハードすぎます。

蓋を開けると結果オーライ

不安にさいなまれながらも、一時帰国への準備は着々と進めていました。二日前のPCR検査は陰性。MySOSの登録も完了。

当日は、出発三時間前に空港に到着。搭乗手続きでは、一番後ろの列を希望しました。この要望は珍しいようで、手続きをしてくれた係の人は驚いた様子でした。そこで、前後二列にコロナ陽性者がいると自主隔離になるという話をしたところ、絶対に大丈夫、現時点で前二列も横も、誰もいないわ、と笑いながら教えてくれました。それでも安心できなかった私は、これからだれか来るでしょ?と聞くと、その確率は限りなくゼロに等しい、大丈夫、と太鼓判を押されました。

実際に、搭乗が完了しても、前二列には誰もいませんでした。もちろん、横もすべて空席です。おかげで、13時間のフライトは横になり、前日までの睡眠不足を取り返すべくぐっすり眠ることができました。

こんな時期でも一時帰国してよかった

あれこれ心配ごとの尽きなかった一時帰国。もちろん、こんな時期に帰らなくたってという意見もあるでしょう。ですが、帰国できる可能性があるならば、自分の決めたタイミングで帰国するのが一番だと思いました。

実際に私は、コロナの影響もあり、祖父のお葬式に参列できませんでした。もちろんコロナだけが理由ではないですし、自分で決めたこととはいえ、寂しい思いがあるのは事実です。

一時帰国って、自分の国に帰るだけです。旅行に行くのとはわけが違います。自分が帰れるときに帰り、会いたい人が元気なうちに会う。ストレスなく、一時帰国ができるような、平和で安全な世界になることを願ってやみません。

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